Seamanship
シーマンシップ

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私の育った学校では船乗りのモットーとして 「船乗りはスマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂」 と教わった。これはどうも、海軍が起源らしい。

文面から、「船乗りは太ってなくて、視力が良くて、整理整頓 ができて、根性がある者」と単純に解釈されては困る。4つの 標語の中に座右の銘とも言える深い意味があります。見かけよりも、主にそれらは精神面に反映され、嫌と言うほど身を持って覚えこまされました。 しかし、商船学校ではシーマンシップがどうだこうだと四角張った教育はしないですし、議論される機会もない。はっきり言えば興味もない。
左の写真を見てもらってわかるように、商船の学生なら、そういう感じじゃない。商船学校の気質があるというか、もうちょっと粋なところに耳を傾けた。
シーマンシップを好んで多用し大目標としているのは、ヨットマンですね。

英訳にこだわるなら、seaman と yachtsman は 厳密に違うと言わざるを得ません。日本では sailboat をヨットと呼ぶことが多いですが、本来はそれを含めた動力付き豪華回遊船の総称がヨットにあたります。おおまかに boat や yacht は ship(船) 以外の小型船を意味すると言えます。
seaman は ship(船)に相当する乗組員を呼称するものであって船舶の操縦者、船員、水夫、船乗りと訳され、どの辞書を見てもseamanという言葉に、ヨットマンや海の男という意味は付記されていません。

つづきは、

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