税金対策と言うが、ではどれほど違うのか?(企業としての法人税はまた別に取られます。)
日本船籍の場合
1)登録免許税
船価 x ・・・/1000 現在は特別措置で1/1000となっている。
ボッタクリ!(そもそも税金はそのようなものですね。)
2)固定資産税(償却資産税)=価格評価額 x 税率1.4%
課税評価額は以下の式で求められる。
初年度 価格評価額=・・・・・ x (1-減価率 r/2)
2年度以降 価格評価額=・・・・・・・ x (1-減価率 r)
ただし、評価額が取得額の・・%より少なくなったときは、取得額の・・%がその価格評価額となる。
減価率 rは・・・・・表より求める。船は耐用年数を・・・年としてるため、
減価率 r=・・・・・
これをもとに計算しますと、取得価格20億円の貨物船は初年度・・・・万円、
6年目で・・・・万円、15年
目でも・・・・万円の固定資産税となります。 ふざけています。200億のLNG船などもありますからえらい
ことになります。これが四方海に囲まれた日本がやることでしょうか?
ということで現在は、国際船舶は期限付きの特例により、償却資産税は、課税標準(価格評価額)を
1/・・・にして税率を乗ずることになっている。(続けて平成19年から5年延長中)
それで1年目:・・・万円、 2年目:・・・万円・・・・・6年目:・・万円・・・・・15年目:・・・万円
となる。これでもまだまだ高い。
一方、便宜置籍船としてパナマ船籍にすると、
1)登録料 15000t以上 $・・・・.-
2)年次税 -do- $・・・・.-(毎年) 15000tを超えてG/W1トンごと・・・・・加算。上限$・・・・・.-
3)手数料 all 約$・・・・.-
そりゃ皆さんパナマにしまっせ!
次に、船員費削減のために外国人(フィリピン人)を乗せた場合のWAGEはどうか?
ITF(国際運輸労連)&IBF(国際団体交渉協議会)の労働条件を考慮した概算金額/月です。(2009年)
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Capt. |
C/O |
2/O |
3/O |
CE |
1/E |
2/E |
3/E |
R/O |
BSN |
AB |
OS |
OLR1 |
OLR2 |
C/Ck |
MSM |
USD |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
1500 |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
・・・・ |
800 |
21名船で月・・・万ドル超、年間に換算しますと約・・万ドルの船員費ということになる。
これを大手で日本人の船・機長を乗せた場合には、・・・万ドルを超えるのは必至で、仮に21名船全員を日本人に乗り組ませるとすれば、・・・・万ドル{日本人を乗せる場合は単に21名の給料を払うばかりでなく、予備員(休暇中の自宅待機者)の給料もそれに付加せねばならない。したがって実費よりも・・・・倍程度と考えての数字。}は必要になるだろう。
ここのところ船員不足に拍車がかかり、優秀なフィリピン人船員は引っ張りだこで、Wageは急騰している。例えばCapt.の場合、2007年からたった2年で月平均にしてUSD・・・・・〜・・・・・、 C/OでUSD・・・・も上昇している。そのうち日本人船員の給料に追いつき追い越す日がくるのではないでしょうか?
その時にはもう日本人船員はいませんね。
また違う発展途上国の船員を探して・・・雇って・・・高騰して・・・繰り返しですか?
日本人船員の給料が高い?いったい誰と、何を比べて?
船乗りの離家性をなんと思っているのでしょう? 日本がおかれている地理的条件、資源確保の重要性を省みず、なんのために自国の船員を追いやってしまったのでしょうか?
給料が高いのは当たり前です。・・・・・・・・・・の給料が高いのと同じ、それなりに理由がある。
給料が高いから外国人に換えた。じゃあ、陸上の給料高い人もみんな外国人に換えたらいい。そしたら会社は儲かります。上に示したように人件費は1/4で済む。「相手先と・・・・・
・・・・・
便宜置籍船もいい。マルシップもいい。企業が利益を・・・・・
・・・・・海運は政治家の票につながらないからと、蔑ろにしてきたのである。
メーカーや海運の別はなにもない、国外に雇用を移す企業へはいかなる税制優遇をも絶対にやってはならない。国内に雇用を生む、または継続させる企業にこそ税制を優遇し・・・・・
・・・・・プロ野球は巨人と阪神だけでは成り立たない。日本の海運が破綻しているとは言わないが健全な状態ではない。政治家はまるでわかっちゃいない。
イギリスは日本と同じ島国だが、彼らは自国の船員を常時2万人程度必要だと考えていると聞いた。船員の地位も高い。イギリス国民は、海運が自国を支える根幹だと認識しているからに違いない。
どうして2万人も必要なのか?簡単だ。"船乗り上がり"もそれだけ必要なのだ。港湾会社、Pilot、港湾局、Steve、代理店、サーベイヤー、教育者、造船、機関関係、勿論船社も。とにかく水周りには経験者や教育された者が必要だ。船乗りを全うして辞めてしまう人も多い。少なくとも2万人いないとイギリスではそれらを恒久的に確保できないということになるのだろう。日本は昭和49年のピーク時に56,000名もの船員がいたが、今ではたった2,000名しかいない。国土交通省は5,500人の船員が必要だと試算したそうだが、そりゃ船を動かすだけの人間でしょ。イギリス的な考えには未だ至っていない。イギリスでいるものは日本でもいるのだ! 開港数や輸入量から考えても日本なら英国の2倍は必要と考えられるかもしれない。
イギリスをはじめEU諸国の擁護政策も様々だ。トン数標準税制(法人税)、船舶償却制度の優遇、船員所得税の免除・軽減、船員の社会保険料の軽減、船員派遣・帰国の援助などなど。ちなみにタイでは国立商船大学の学費を全額免除としている。
日本はどうか?・・・・・・・
・・・・・大手三社にあと1000名づつ船員を押し付けるとでもいうのか? 英国のように健全な形になどにどうやって戻せるのだろうか?まともに対処して50年はかかる。
日本では外航船員のうち部員さんの職場をほぼ完全になくしてしまった。これはどういうことかというと、二つの大切な役割を失ったということに他ならない。一つはその技術の継承。もう一つはたたき上げ船員の育成だ。「幹部候補生学校だけあればいいじゃないか?」などの考えは大きな間違いです。底辺を広げなければ優秀な人材は育たない。サッカーがJリーグだけでは強くならないと同じです。
日本人の部員さんはワイヤーを刺してもうまかった。日本人が乗ると船は長持ちした。叩き上げの船長は操船も人使いもうまく優秀な方が多かった。
日本は全くバカなことをしてしまったものだ。 |