海上貨物の書類と貨物の流れ

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上記の@〜Hまでが基本の流れです。
しかし、この中でもイレギュラーなことは、たくさんあります。
a. B/L の到着が船の到着よりも遅れることがあります。その場合にはFの行為ができませんので、F’の手続きが必要です。(L/Gには銀行が保証するBank L/G と、荷主が発行する Single L/G がある) 同様に本船到着までに時間がない場合に運賃を先に支払うことにより、元地(積込地)でサレンダーB/L処理をしてもらい、輸入地でオリジナルB/Lなしに貨物を引き取るシステムもある。
b. Freight(運賃) が collect (後払い)ならば上記ですが、prepaid(先払い:Dの時点で発生)ならばF’関係はあまり重要視されません。(Single L/Gでも受けてくれる可能性が高い)
c.通常乙仲(海貨物業者)は通関後、輸出者から入手したInvoiceやShiping adviceを参考にS/Oを作成。これは通常、Mate Receiptが綴られた複写式フォームとなっている。(検数に委託されて一航士にサインをもらう)

L/C の意義
輸入者は輸出者と契約し貨物を手に入れるのですが、両者相互間において問題となるのが料金の受け渡しです。輸入者は貨物を受け取った後での料金支払いを望み、輸出者は料金を受領した後に出荷する事を望むためです。

なぜなら、輸入者側は完全品を受け取ってこその料金支払いが当然の行為と考え、不良品を受け取っての料金支払いなどを一切行うつもりがないからです。(料金先払いでは、このような不良品輸入に関しての料金回収が非常に困難にとなるリスクを背負わなければなりません。)
逆に輸出者側には、貨物を送ったが本当に輸入者は料金を払ってくれるのだろうかという不安がつきまといます。最悪の場合、こちらも料金未受取りというリスクを背負うことになりかねません。この相互のリスクを第3者機関である銀行との取引きにより無くそうとするのがL/Cです。

B/Lは有価証券
一方、船会社は荷物の授受に関し、B/Lを発行します。これ以降はB/Lの所持者が貨物の権利を得ることになり、運賃等金銭の受け渡しにより、B/Lとその権利は委譲されて行きます。


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